東急カードは、東急百貨店や東急電鉄、東急バス、東急不動産などと同じ東急グループのクレジットカード会社・東急カード株式会社が発行するクレジットカードです。
東急カードは特に東急東横線を始めとする東急線利用者に熱く支持されているクレジットカードで、東急沿線に住んでいる人にとっては必携のクレジットカードとまでいわれています。
ということで今回は、東急カードの特徴やメリット・デメリットについて見てみましょう。
東急カードの概要と特徴・メリット
それではさっそく、東急カードの概要と特徴・メリットを紹介します。
東急カードの基本的なカードデータは、以下のようになっています。
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 一般カード:初年度無料・2年目以降1100円 ゴールドカード:6600円 |
ブランド | |
貯まるポイント | TOKYU POINT |
ポイント還元率 | 0.5~20% |
追加可能カード | 家族カード(一般カード:初年度無料・2年目以降330円 ゴールドカード:1100円)・ETCカード(無料) |
ショッピングセーフティ保険 | ゴールドカードのみ(年間300万円) |
クレジットカード盗難保険 | 全額 |
海外旅行傷害保険 | 一般カード:最高1,000万円 ゴールドカード:最高1億円(共に利用付帯) |
国内旅行傷害保険 | 一般カード:最高1000万円 ゴールドカード:最高3000万円(共に利用付帯) |
そして東急カードには、以下のバリエーションがあります(提携カードは除く)。
- TOKYU CARD
- TOKYU CARD ClubQ JMB
- TOKYU CARD ClubQ JMB(コンフォートメンバーズ機能付)
- TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO
- TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO(コンフォートメンバーズ機能)
- TOKYU CARD ClubQ JMB ゴールド
- TOKYU CARD ClubQ JMB ゴールド(コンフォートメンバーズ機能付)
カード名に「ClubQ」とついているものは、クレジットカード機能・JALマイレージバンク機能・TOKYU POINT機能の3つが付加されています。
「コンフォートメンバーズ」とは、全国の東急ホテルズでの宿泊やホテル内のレストラン・バーの利用で様々なサービスが受けられるメンバーシップサービスのことですが、国際ブランドでVISAを選択した場合はコンフォートメンバーズ機能を付帯することはできません。
なお東急カードのゴールドカードは招待制ではなく、申し込み自体は「18歳以上で、本人または配偶者に安定継続収入のある方。または、高校生を除く18歳以上で学生の方」であれば誰でもできます。
そして東急カードには、以下のような特徴・メリットがあります。
- 東急グループでのポイント還元率が高い
- 電車やバスの利用でポイントが貯まる
- JALのマイレージが貯まる
- 渋谷で専用ラウンジが利用できる
順番に見ていきましょう。
東急カードの特徴・メリット
東急グループでのポイント還元率が高い
まずは東急カードのポイント制度の基本を押さえておきましょう。
東急カードは、クレジット機能の利用金額に応じて一定割合の「TOKYU POINT」が還元されます(以下「ポイント」と表記)。
気になるポイント還元率ですが、原則として200円につき1ポイント、つまり0.5%です。
ただし「ご利用代金Web明細サービス」(毎月の利用明細を郵送ではなくWebで確認するサービス)に登録すると、200円につき2ポイント、つまり1%の還元率になります。
そして貯まったポイントは、1ポイント = 1円換算でPASMOにチャージして電子マネーとして利用できる他、東急グループ加盟店でも利用することができます。
また、JALマイレージバンクやANAマイレージクラブのマイルに交換することもできます。
さらに、東急カードは東急グループの東急カード株式会社が発行しているだけあって、東急グループのお店やサービスの利用でポイントが貯まりやすくなっています。
詳しく見てみましょう。
東急百貨店で還元率が最大6%
例えば東急百貨店では、原則として利用金額の3%がポイント還元されます(東急カードを提示した上で現金で支払ってもOK!)。ただし、食品・レストラン・サービス施設の利用分は1%の還元率です。
加えて、東急百貨店での6ヶ月ごとの獲得ポイント数に応じて、以下のボーナスポイントがプレゼントされます。
- 2,500ポイント ~ 5,000ポイント未満 → 獲得ポイント数の20%
- 5,000ポイント ~ 1万ポイント未満 → 獲得ポイント数の50%
- 1万ポイント以上 → 獲得ポイント数の100%
半年で1万ポイント獲得していれば、ボーナスポイントとしてこの100%、つまり1万ポイントが付与されるので、単純計算でポイントが倍になります。これは非常にお得ですね!
東急ストアやプレッセで還元率が1.5%+α
そして東急ストアやプレッセでもポイントが貯まりやすく、原則として200円の利用で3ポイント(現金利用なら1ポイント)が還元されます。
さらに、東急ストアやプレッセでの1ヶ月ごとの利用金額に応じて、以下のボーナスポイントがプレゼントされます。
- 3万円以上 ~ 5万円未満 → 250ポイント
- 5万円以上 ~ 7万円未満 → 500ポイント
- 7万円以上 ~ 10万円未満 → 1250ポイント
- 10万円以上 → 2500ポイント
東急ストアもプレッセもスーパーなので、食料品や雑貨の買い物を集中させれば月3万円の利用はそれほど難しくないでしょう。
例えば、毎月3万円の利用を1年間続けた場合、年間36万円の買い物に対して5400ポイントを獲得できるのに加えて、ボーナスポイントも3000ポイント獲得でき、合計で8400円分お得になる計算です。
東急ストアやプレッセの他にも、東急グループのショッピングセンターや、東急プラザといった東急系のお店でもお得にポイントを貯めることができます。
これらの東急系のお店での買い物が多い人にとって、ポイントが貯まりやすい東急カードはぜひ持っておきたい1枚といえるでしょう。
東急カードの特徴
JALのマイルが貯まる!ポイント二重取りも!
東急カードのうち ClubQ 機能が付加されているものは、同時にJALマイレージバンクの会員(JMB)となります。
そのため、JALグループ便・提携航空会社便の利用や、JMB提携ホテル、JMBマイルパートナーで東急カードを使うと、JALのマイルが貯まります。
これらの利用時はもちろんTOKYU POINTも貯まるので、ポイントとマイルの二重取りができますし、さらにJALのマイルとTOKYU POINTは相互に交換することもできます。
東急カードの特徴
PASMOの利用でポイントが貯まる
東急カードは、電車やバスの利用でもお得にポイントが貯まります(「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」への事前登録が必要)。
まず電車の場合、東急線PASMO定期券の利用で0.5%、PASMOオートチャージサービス(PASMOの残額が設定した実行残額以下の時に改札から入出場すると自動的にチャージされる)の利用で0.2%のポイントが還元されます。
ただし、ClubQ 機能が付加されている東急カードは、東急線PASMO定期券・PASMOオートチャージそれぞれ1%のポイント還元となります。
バスの場合も、「ノッテオートチャージ」(東急バス乗車時にPASMOの残高が運賃を下回っていると一定額が自動的にチャージされる)の利用で1%(ClubQ機能が付加されている東急カードも1%)がポイント還元されます。
東急沿線に住んでいて、通勤や通学に東急バスや東急線を使っているような場合は、特に買い物をしなくともバスや電車を利用するだけで自然にポイントが貯まっていくのは大きなメリットです。
東急カードの特徴
渋谷でラウンジが利用できる
これはあまり知られていない東急カードの特徴ですが、東急カード利用者は「東急のお膝元」ともいえる渋谷にある2つのラウンジを利用することができます。
1つめは渋谷駅の地下にある「渋谷ちかみちラウンジ」。
渋谷ちかみちラウンジは、ラウンジ入口にあるカードリーダーに東急カードを含めたいくつかのクレジットカードをかざすと扉を開けることができるようになっています。
これらのクレジットカードを持っていなくても、インフォメーションで名前を記入することで利用できるのですが、混雑時はクレジットカード利用者以外は利用できなくなります。
内部は男性トイレと女性トイレ、男性ドレッシングルームと女性パウダールーム・授乳室、ベビールーム、多目的トイレ、ラウンジで構成されています。
ラウンジには大きなテーブルとWi-Fiスポットが用意されており、ノートパソコンやタブレットを持ち込んで仕事をすることも可能です。
すべての施設が非常に清潔に保たれており、渋谷で遊ぶ前に着替えやメイク直しなどをする、という使い方がおすすめです。
2つめは渋谷ヒカリエのShinQsの「Switch Lounge(女性専用)」です。
ShinQsにはレストルームを更に進化させたスイッチルームが全6フロアに用意されているのですが、このうち5階にあるSwitch Loungeは、東急カード利用者しか入ることができません。
Switch Loungeには豪華なソファが設置されており、買い物の合間にゆっくり休憩することができる他、「女優ミラー」を使ったメイク直しなどもすることができます。
これらのラウンジは、渋谷で働いている人や渋谷で買い物をしたり遊んだりする機会の多い人にとって、便利なサービスといえるでしょう。
東急カードのデメリット
次に、東急カードのデメリットも見ておきましょう。
東急カードのデメリット
東急のお店や東急線を使わない人にはメリットが少ない
特徴を見てもわかるように、東急カードは東急百貨店や東急ストアのような東急系のお店、東急線や東急バスを使ってこそポイントが貯まりやすい仕組みになっています。
そのため、これら東急系のお店や東急線・東急バスなどをまったく使わないという場合、東急カードから受けるメリットはほとんどないということに。
東急系のお店や東急バスは、そのほとんどが東急線沿線を中心に展開されていますので、実質的に東急カードは、東急線沿線に住んでいない人にとってはメリットがあまりない、といえます。
東急カードのデメリット
年会費が掛かる
東急カードは、一般カード(ゴールドカード以外)こそ初年度の年会費が無料なものの、2年目以降は1100円かかります。ゴールドカードはなんと6600円!
家族カードも、一般カードは初年度無料・2年目以降330円、ゴールドカードは初年度から1100円です。
年会費永年無料を謳っているクレジットカードが多い中で、「とりあえず持っておく」わけにはいかない所が、東急カードのデメリットです。
東急カードのデメリット
旅行傷害保険が付いているけど条件がある
東急カードは、国内・海外ともに旅行傷害保険が付帯します。
これはメリットではあるのですが、実は保険適用には条件があります。国内旅行傷害保険も海外旅行傷害保険も「利用付帯」、つまり航空券代やツアー代金を東急カードで支払っていないと保険が適用されません。
カードを持っているだけで保険が適用される「自動付帯」ではない点には注意しましょう。
東急カードの特徴、デメリットやおすすめポイント:まとめ
以上、東急カードの特徴やポイント還元率、メリット・デメリットを中心に紹介しました。
東急カードは、東急系のお店や東急線を使うという人であれば、持っておくとお得なカードです。
東急カードのポイントをまとめてみると、
- 利用明細をWebで確認するサービスに登録するとポイント還元率は1%
- 東急百貨店で利用すると還元率が最大6%
- 東急ストアやプレッセで還元率が1.5%
- PASMOの利用で還元率が最大1%
- 渋谷にあるラウンジが利用できる
といったところ。条件に当てはまる人にとっては高還元率のおすすめカードといえるでしょう。